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?ファッションと映画の新しき関係グッチが名作修復支援

５月のカンヌ国際映画祭で、１９８４年公開の映画「ワンス?アポン?ア?タイム?イン?アメリカ」が上映された。グッチが２００６年から支援を続けてきた修復?保存計画の作品のひとつだ。「甘い生活」「山猫」など７作の修復がこのほど完了し、日本でも東京?銀座のグッチ旗艦店で１２月まで月替わりで一般公開する予定（予約制、申し込みはグッチの公式フェイスブックで）同映画祭では、プラダがロマン?ポランスキー監督に依頼したショートムービー「セラピー」も披露された。中年男性の精神科医が若い女性患者が着ていた毛皮のコートを羽織りうっとりするというユニークな約３分の物語。同ブランドの公式サイトでも見られるプラダの今秋冬コレクションの着想の源である「ファッションとは何か」という根源的な問いを!
ポランスキー監督にぶつけたのだろうか。監督は「現代ファッションが意味するものを論じる機会と、そこに多くの固定観念が伴うという事実は魅力的であると同時に少し戸惑いも覚えたが、無視できないものであることは確か」とコメントしたフェンディは、内装を手掛けたイタリア車マセラティと共同し、同車で国内の伝統的な職人工房を訪ねたドキュメンタリーフィルムを制作した。ＤＶＤ「ＴＨＥＷＨＩＳＰＥＲＥＤ～イタリアのクラフツマンシップを訪ねて～」（税込み４７２５円）で鑑賞できる。傘や帽子、香水にワイン、ピッツァまで約１５の工房を収めた映像は、長い歴史と豊かな自然が育んだイタリアの伝統技への賛歌にもなっている一方、エルメスはフランス国内の四つの工房を巡った映画「ハート＆クラフト�!
��を発表した。ドキュメンタリー作家らからの!
取材�
�頼がきっかけで制作した。エルメスの昨年の年間テーマ「現代に生きるアルチザン（職人）」とも重なっている。何週間もかけて手作りされる革のバッグや絹のスカーフ。工房の仕事に寄り添った撮影や、無口な職人の姿から、物作りにかける情熱、誇りが静かに伝わってくる。１５日まで東京の「オーディトリウム渋谷」で公開しているブランドと映画との関わりは、主に５０年代からの映画での衣装提供に始まる。その後、映画祭や授賞式で俳優らが着るブランド品が話題になり、互いに利用し合う関係になった。最近は、欧州の老舗ブランドが自らも伝統工芸を担う存在であることをアピールし始めている。同じ文化産業の一つである映画と自然な関係を作ろうとする試みのように見えるグッチのパトリツィオ?ディ?マルコ社�!
�兼最高経営責任者（ＣＥＯ）は、「ブランドは映画人たちのおかげで成長してきた。修復支援はそのお礼も兼ねたもの。必要なら小津安二郎監督の映画も修復したい」と語るこうした動きは、ブランド自身の未来への姿勢を理解してもらう目的もありそうだ。先進国の高級品の消費が低迷する中での、新たな生き残り策なのかも知れない。（編集委員?高橋牧子）